司法書士試験 憲法 択一 内閣の法律案提出権 – 司法試験-司法書士試験-行政書士試験とエトセトラBLOG

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司法書士試験 憲法 択一 内閣の法律案提出権

投稿日:2017年5月8日 更新日:

                                          内 閣 の 法 律 案 提 出 権

 

 

 

内閣の法律案提出権に関する択一の推論問題を作成しました。
第一印象は,難しそうに見える問題です。

 

しかし,肢の文章の言葉の端々を注意して読むと,案外簡単に正解に達することができます。

 

これは,一瞬捨て問と思わせる問題を故意に作問してみた結果です。
内閣の法律案提出権に関する論点は,司法試験,司法書士試験,行政書士試験のいずれの試験においても,その試験範囲に含まれる論点問題であろうと思います。

 

チャレンジしてみてください。

解答は参考文献の下に記載してあります。

 

[ 問 題 ]

 

次の学生甲ないし己の会話における[A]ないし[V]に,後記アないしニの条項,条文,語句から適切なものを選んで文章を完成させると,内閣の法律案提出権に関する正しい会話の内容となる。

学生甲ないし己は,内閣の法律案提出権を肯定する説,またはこれを否定する説のいずれかの説に立つものである。

 

内閣の法律案提出権を肯定する説に立つ学生と,これを否定する説に立つ学生の組み合わせとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。

なお,同一のアルファベットには,同一の条項,条文,語句が入るものとする。

 

学生甲:  [ A ]に規定されている[ B ]の中に法律案も含まれるから,内閣には法律案の提出権が[ C ]と思う。

 

学生乙: [ A ]の[ B ]には,本来内閣の権限に属する作用が含まれるのであるが,法律制定作用たる法律案提出権自体は,内閣の本来的権限にそもそも属さない作用である。
したがって,[ B ]の中に法律案を含めることは[ D ]と思う。

 

学生丙: 法律案の提出は,法律制定作用の重要な行為であるから,これを内閣が権限行使するとなれば,国会をもって唯一の[ E ](憲法第41条)とすることに[ F ]ことになる。

これは[ G ]の原則に[ F ]ことになると思う。

 

学生丁: しかし,法律案の提出は,立法の契機を与えるところの[ H ]であって,立法そのものではないともいえるよ。

 

また,内閣による法律案の提出は,国会の議決権を拘束するものではなく立法作用の一部分とみることができない。
したがって,内閣の法律案提出権を「 I 」したところで,国会をもって唯一の[ E ](憲法第41条)とすることに[ J ]と思う。

すなわち,国会は法律案を[ K ]し,これを自由に[ L ]し,[ M ]することもできるのであるから,国会をもって唯一の[ E ](憲法第41条)とすることに[ J ]と思う。

 

さらに言えば,内閣の法律案提出権を[ N ]してみたところで,[ O ]や過半数の[ P ]は[ Q ]で,法律案を発議できるのであるから実質的な結論は変わらない。

 

学生戊: [ O ]や[ P ]が[ Q ]で法律案を発議することに対しては,[ R ]の制限がある。

[ R ]は[ S ]と規定している。

つまり,[ O ]や[ P ] は,[ Q ]で法律案を発議できないこともある。

 

学生己:  そうは言っても,[ T ]は立法に対する国会と内閣の協働関係を予定しているのだから,内閣の法律案提出権を[ I ]すべきだよ。

また,[ U ]は[ V ]と規定しており,内閣に国政のあり方に対する全般的な配慮が求められていることからすれば,内閣に法律案提出権が[ C ]べきだと思う。

 

 

[ 条項,条文,語句群 ]

ア 憲法第72条        イ 憲法第73条第1号

ウ 国会法第56条第1項

エ 議案    オ 審議    カ 修正    キ 否決

ク 国会単独立法        ケ 立法機関

コ 「国務を総理すること」

サ 内閣総理大臣         シ 国務大臣

ス 「議員が議案を発議するには、衆議院においては議員二十人以上、参議院においては議員十人以上の賛成を要する。但し、予算を伴う法律案を発議するには、衆議院においては議員五十人以上、参議院においては議員二十人以上の賛成を要する。」

セ 立法の準備行為        ソ 議院内閣制

タ 議院の資格

チ 認められる    ツ 認められない

テ 反しない     ト 反する

ナ 肯定       ニ 否定

 

1 肯定説(甲,丙,己),否定説(乙,丁,戊)

2 肯定説(乙,丁,己),否定説(甲,丙,戊)

3 肯定説(甲,丁,己),否定説(乙,丙,戊)

4 肯定説(乙,丙,戊),否定説(甲,丁,己)

5 肯定説(甲,丁,戊),否定説(乙,丙,己)

 

[ 参 照 条 文 ]

憲法第72条  内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

憲法第73条  内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
一  法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
二  外交関係を処理すること。
三  条約を締結すること。但し、事前に、時宜によっては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
四  法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
五  予算を作成して国会に提出すること。
六  この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
七  大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

 

国会法第56条  議員が議案を発議するには、衆議院においては議員二十人以上、参議院においては議員十人以上の賛成を要する。但し、予算を伴う法律案を発議するには、衆議院においては議員五十人以上、参議院においては議員二十人以上の賛成を要する。
2  議案が発議又は提出されたときは、議長は、これを適当の委員会に付託し、その審査を経て会議に付する。但し、特に緊急を要するものは、発議者又は提出者の要求に基き、議院の議決で委員会の審査を省略することができる。
3  委員会において、議院の会議に付するを要しないと決定した議案は、これを会議に付さない。但し、委員会の決定の日から休会中の期間を除いて七日以内に議員二十人以上の要求があるものは、これを会議に付さなければならない。
4  前項但書の要求がないときは、その議案は廃案となる。
5  前二項の規定は、他の議院から送付された議案については、これを適用しない。

 

 

 


ここまでが問題,ここから先は解答

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ 解 説 (完成した会話)]

学生甲: [A憲法第72条]に規定されている[B議案]の中に法律案も含まれるから,内閣には法律案の提出権が[C認められる]と思う。

 

学生乙: [A憲法第72条]の[B議案]には,本来内閣の権限に属する作用が含まれるのであるが,法律制定作用たる法律案提出権自体は,内閣の本来的権限にそもそも属さない作用である。
したがって,[B議案]の中に法律案を含めることは[D認められない]と思う。

 

学生丙: 法律案の提出は,法律制定作用の重要な行為であるから,これを内閣が権限行使するとなれば,国会をもって唯一の[E立法機関](憲法第41条)とすることに[F反する]ことになる。

これは[G国会単独立法]の原則に[F反する]ことになると思う。

 

学生丁: しかし,法律案の提出は,立法の契機を与えるところの[H立法の準備行為]であって,立法そのものではないともいえるよ。

 

また,内閣による法律案の提出は,国会の議決権を拘束するものではなく立法作用の一部分とみることができない。
したがって,内閣の法律案提出権を「I肯定」したところで,国会をもって唯一の[E立法機関](憲法第41条)とすることに[J反しない]と思う。

 

すなわち,国会は法律案を[K審議]し,これを自由に[L修正]し,[M否決]することもできるのであるから,国会をもって唯一の[E立法機関](憲法第41条)とすることに[J反しない]と思う。

 

さらに言えば,内閣の法律案提出権を[N否定]してみたところで,[O内閣総理大臣]や過半数の[P国務大臣]は[Q議員の資格]で,法律案を発議できるのであるから実質的な結論は変わらない。

 

学生戊: [O内閣総理大臣]や[P国務大臣]が[Q議員の資格]で法律案を発議することに対しては,[R国会法第56条第1項]の制限がある。

 

[R国会法第56条第1項]は[S「議員が議案を発議するには、衆議院においては議員二十人以上、参議院においては議員十人以上の賛成を要する。但し、予算を伴う法律案を発議するには、衆議院においては議員五十人以上、参議院においては議員二十人以上の賛成を要する。」]と規定している。

 

つまり,[O内閣総理大臣]や[P国務大臣] は,[Q議員の資格]で法律案を発議できないこともある。

 

学生己: そうは言っても,[T議院内閣制]は立法に対する国会と内閣の協働関係を予定しているのだから,内閣の法律案提出権を[I肯定]すべきだよ。

 

また,[U憲法第73条第1号]は[V「国務を総理すること」]と規定しており,内閣に国政のあり方に対する全般的な配慮が求められていることからすれば,内閣に法律案提出権が[C認められる]べきだと思う。

 

 

[参考文献] 日本国憲法論 佐藤幸治 著 成文堂
憲法 Ⅱ 第5版 野中俊彦 中村睦男 高橋和之 高見勝利 著 有斐閣
など

[正解] 3 肯定説(甲,丁,己),否定説(乙,丙,戊)

以   上

なお,以上の記述の正誤につきましては,ご自身の基本書,テキスト等により是非ご検証,ご確認ください。

 

 

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