Part1争点及び証拠の整理手続に関する短答・択一式問題[司法試験予備試験/司法書士試験] | 司法試験-司法書士試験-行政書士試験とエトセトラBLOG

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Part1争点及び証拠の整理手続に関する短答・択一式問題[司法試験予備試験/司法書士試験]

投稿日:2018年8月30日 更新日:

はじめに

争点及び証拠の整理手続に関する短答・択一式問題は頻出です。

今回、同意の要否、意見の聴取等を中心として、私が問題を作成してみました。
準備的口頭弁論、弁論準備手続、書面による準備手続三者比較の視点から、知識の整理をしておくと有用でしょう。

 

問 題

争点及び証拠の整理手続に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

ア 裁判所は、争点及び証拠の整理を行うため必要があると認めるときであっても、当事者の意見を聴かなければ、準備的口頭弁論を行うことができない。

イ 裁判所は、争点及び証拠の整理を行うため必要があると認めるときであっても、当事者双方の同意を得なければ、事件を弁論準備手続に付することができない。

ウ 裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、事件を書面による準備手続(当事者の出頭なしに準備書面の提出等により争点及び証拠の整理をする手続をいう。)に付することができる。

エ 裁判所は、当事者双方の申立てがあるときは、弁論準備手続に付する裁判を取り消さなければならない。

オ 裁判所は、受命裁判官に弁論準備手続を行わせることができるが、書面による準備手続については、裁判長のみが行うことができるのであって、受命裁判官においてこれを行わせることは一切できない。

1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解 説

ア 誤り

裁判所は、争点及び証拠の整理を行うため必要があると認めるとき、当事者の意見を聴くことなく、準備的口頭弁論を行うことができる。

つまり、準備的口頭弁論を行うのに、当事者の意見を聴取する必要はありません

(準備的口頭弁論の開始)
民事訴訟法第164条 裁判所は、争点及び証拠の整理を行うため必要があると認めるときは、この款に定めるところにより、準備的口頭弁論を行うことができる。

 

イ 誤り

裁判所は、争点及び証拠の整理を行うため必要があると認めるとき、当事者の意見を聴いて、事件を弁論準備手続に付することができる。

つまり、事件を弁論準備手続に付するには、当事者の意見を聴かなければなりません。

(弁論準備手続の開始)
民事訴訟法第168条 裁判所は、争点及び証拠の整理を行うため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、事件を弁論準備手続に付することができる。

 

ウ 正しい

裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、事件を書面による準備手続(当事者の出頭なしに準備書面の提出等により争点及び証拠の整理をする手続をいう。)に付することができる。

つまり、事件を書面による準備手続に付するには、当事者の意見を聴かなければなりません。

 

(書面による準備手続の開始)
民事訴訟法第175条 裁判所は、当事者が遠隔の地に居住しているときその他相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、事件を書面による準備手続(当事者の出頭なしに準備書面の提出等により争点及び証拠の整理をする手続をいう。以下同じ。)に付することができる。

 

エ 正しい

裁判所は、当事者双方の申立てがあるときは、弁論準備手続に付する裁判を取り消さなければなりません。

 

(弁論準備手続に付する裁判の取消し)
民事訴訟法第172条 裁判所は、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、弁論準備手続に付する裁判を取り消すことができる。ただし、当事者双方の申立てがあるときは、これを取り消さなければならない。

 

 

これと同様の規定(当事者双方の申立てあるときの取り消し)は、専門委員にもあり、司法試験予備試験短答式 平成29年度第35問に出題されています。

裁判所は,当事者双方の申立てがあるときは,専門委員を手続に関与させる決定を取り消さなければならない。[司法試験予備試験 短答式 平成29年度第35問肢ウ]

 

(専門委員の関与の決定の取消し)
民事訴訟法第92条の4 裁判所は、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、専門委員を手続に関与させる決定を取り消すことができる。ただし、当事者双方の申立てがあるときは、これを取り消さなければならない。

 

 

オ 誤り

書面による準備手続であっても、高等裁判所の受命裁判官は、単独で書面による準備手続を行うことができる。

(書面による準備手続の方法等)
民事訴訟法第176条第1項 書面による準備手続は、裁判長が行う。ただし、高等裁判所においては、受命裁判官にこれを行わせることができる。

 

正解は、ウエが正しく、5となります。

[参考文献]

民事訴訟法 第7版 上田徹一郎  著 法学書院
新民事訴訟法 第5版 新堂幸司 著 弘文堂
民事訴訟法講義案(三訂版) 裁判所職員総合研修所 監修 司法協会
など

 

 

 

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